お知らせ
最新の投稿
悩んでいる男性

ヘルペスには、大きく分けて3種類にウイルスが存在しますが、多くの医療機関でバラシクロビルが第一選択薬として処方されています。
ヘルペスは、性感染症のイメージの強い感染症ですが、幼少期に好発する水疱瘡もヘルペスウイルスによる感染症であり、日本国内の70歳以上の高齢者の95%以上がウイルスを体内に保有している感染症です。
ヘルペスは、1度感染すると体内にウイルスを一生涯保有する事となり、再発を繰り返す感染症でもあります。

バラシクロビルを含んでいるバルトレックスの作用

バラシクロビルは、従来のDNAポリメラーゼ阻害薬アシクロビルの分子骨格に人間の必須アミノ酸バリンを付加したプロドラッグであり、治療薬バルトレックスの主要な有効成分です。
バルトレックスは、服用後小腸で吸収されたバラシクロビルが肝臓の薬物代謝酵素によってアシクロビルとバリンに加水分解されます。
ヘルペスウイルス由来のチミジンキナーゼと感染患者の細胞内キナーゼによって3度にわたりリン酸化され、ウイルスの核酸の主要構成物質ヌクレオシド3リン酸と酷似した分子構造を有するアシクロビル3リン酸に活性化されます。
アシクロビル3リン酸は、ヌクレオシド3リン酸に酷似している事からDNAポリメラーゼの作用によって置換され、ウイルスの正常なDNA複製過程を初期段階で阻害し増殖を抑制する医薬成分です。

バラシクロビルは、医薬成分が全身に循環する比率を示すバイオアベイラビリティが10%〜20%と低いアシクロビルに必須アミノ酸バリンを付加した事により、バイオアベイラビリティが2.5倍〜5倍以上に相当する55%まで向上させ、少量のバラシクロビルでも充分な医薬効果が得られます。
その為、従来のDNAポリメラーゼ阻害薬では1日5回の服用が必要とされていましたが、バラシクロビルは1日2回の服用で充分な医薬効果が得られる治療薬です。
治療期間は、単純疱疹の場合にはバラシクロビル500mgを1日2回服用し、症状に合わせて5日間〜10日間程度服用を継続します。
性器ヘルペスの再発抑制治療では、1日1回バラシクロビル500mgの服用を8週間〜最長1年間継続しますが、1年間に6回以上の再発を繰り返す重症患者に対しては保険が適用されています。

バラシクロビルの主な副作用

バラシクロビルは、服用後小腸で吸収されると共に肝臓でアシクロビルに薬剤代謝されますが、服用後24時間でアシクロビルの約87%〜約97%が尿や便として排出される事から主要な臓器への蓄積や悪影響が非常に少ないとして重篤な副作用の少ない治療薬とされています。
バラシクロビルは、抗ウイルス効果の高い治療薬なので既往歴や体質によって副作用を発症する事も稀にありますが、吐き気や下痢及び便秘などの腹部の不快感に加え、頭痛や眠気及び蕁麻疹などの比較的軽症の副作用が大半です。
しかし、バラシクロビルは、肝臓の薬物代謝酵素によってアシクロビルとバリンに加水分解される肝臓代謝型薬物なので肝機能障害や急性肝炎などの重篤な副作用を発症するだけで無く、急性腎不全や急性膵炎などの重篤な副作用を発症する事があります。

バラシクロビルは、頭痛や腹部の不快感などの一般的な副作用だけで無く、極稀に光線過敏症や尿細管間質性腎炎を発症する事がある治療薬です。
バラシクロビルは、服用後24時間で約87%〜約97%を尿や便として排泄しますが、溶解度を超えると体内で再結晶する特性を有する医薬成分です。
その事から直径20μm〜30μmと非常に細い腎尿細管で再結晶してしまうリスクが高く、下痢や脱水症状に陥ると再結晶化し腎尿細管を塞ぐ急性腎尿細管間質障害などの腎機能障害を発症させます。
バラシクロビルは、服用時だけで無く医薬効果が持続している治療中も積極的に水分を補給する必要があり、急激に汗をかく激しい運動や下痢を引き起こす食生活も避けるべきです。
光線過敏症は、高齢者や服用期間の長い服用患者に多く発症するバラシクロビル特有の副作用であり、紫外線を皮膚に浴びる事で水疱や紅斑及び炎症などの異常症状を発症します。

ヘルペスウイルスには大きく分けて3種類ある

ヘルペスウイルスには、人間に感染するウイルスが8種類確認されており、アルファ〜ガンマの3種類に大きく分類する事ができます。
ガンマヘルペスウイルス亜科は、カポジ肉腫や悪性リンパ腫を誘発するヒトヘルペス8型とエプスタイン・バール・ウイルスがあり、8型はHIVに感染する事で著しい免疫力の低下を招きカポジ肉腫を発症させるリスクを高める種類のウイルスです。
エプスタイン・バール・ウイルスは、リンパ球のB細胞やナチュラルキラー細胞及び上皮系細胞にも感染するウイルスであり、伝染性単核球症を引き起こします。
ベータヘルペスウイルス亜科は、ヒトヘルペス6型と7型及びサイトメガロウイルスがあり、サイトメガロウイルスは網膜炎や腸炎に加え後天性免疫不全症候群患者の肺炎や髄膜炎を誘引するウイルスです。
6型は、乳幼児期に38度以上の高熱と淡紅色紅斑を発症させる突発性発疹を発症させるウイルスであり、7型は6型と同様に唾液中に高確率で含有されているウイルスであると共に突発性発疹を発症させます。

アルファヘルペスウイルス亜科は、単純ヘルペスウイルスと1型と2型及び水痘帯状疱疹ウイルスが含まれており、最も感染者数の多い種類です。
1型は、唇周辺や口腔内及び咽頭部に赤い発疹や水疱を形成し、何度でも再発を繰り返す特徴がある事から発症の前兆症状を感じ取る感染患者も多くいます。
2型は、外部生殖器官を中心に臀部や太ももなどに赤い発疹や水疱などを形成するだけで無く、太ももの内側などのリンパ節を腫れさせる事があるウイルスです。
1型と2型は、従来明確に感染患部が区別されていましたが、オーラルセックスの普及により感染患部の区別が曖昧になっているのが現状です。
水痘帯状疱疹ウイルスは、幼少期に好発する水疱瘡の発症原因であり、特に帯状疱疹は再発を繰り返します。

ヘルペスは再発することが多い

ヘルペスは、1度感染するとヘルペスウイルスを体内に一生涯保有する事から1年に何回も再発する患者が多く、性器ヘルペスに関してはバラシクロビルによる再発抑制治療が行われているのが現状です。
ヘルペスウイルスは、感染細胞内の遺伝子情報を書き換えて増殖を促進するだけで無く、感染細胞の細胞膜を外膜エンベロープとして全体を覆うので感染患者の細胞と親和性が非常に高い特性を有しています。
高い親和性は、治療薬の医薬作用や免疫力が及ばない神経節で休眠する事を可能とする作用があり、ウイルスの生存に適した体内環境になるまで何十年でも神経節の奥深くで休眠状態にあるので再発を繰り返します。
ヘルペスは、再発を繰り返す度に症状が軽くなる傾向がありますが、再発を繰り返す事で発症の前兆症状を感じ取れる患者も多く、早期治療を目的としてバラシクロビルを手元に置く患者が増加傾向です。

ヘルペスウイルスは、体各所の神経節の神経細胞内で環状DNAで休眠状態にある事から現在の治療薬では完全に死滅させる事が出来ず、治療薬の医薬作用や自己免疫力が著しく低下した時期を見計らって再発を繰り返す特徴があります。
その為、毎月の様に再発を繰り返す患者も存在します。
しかし、ヘルペスは脊髄周辺の神経細胞内で環状DNAを形成しながらも神経細胞に沿って生殖管に辿り着き、皮膚細胞に感染して発疹や水疱などの症状を引き起こす事から完全な休眠状態では無く持続的な活動を続けているとされています。
ヘルペスは、再発に気づかない事や再発時期がわからないので自覚症状が無くても定期的な検査で早期発見を心掛ける必要があり、再発時には症状が軽い再発初期に早期治療する事で短期間で治療が完了します。